30by30自然共生の森づくりプロジェクト

公益財団法人森林文化協会

森林整備の取り組み30by30自然共生 企業の森

近年、森林や里山への支援を機に、都会の喧噪を離れて森に出かけ、心身のリフレッシュやストレス軽減、エンゲージメント向上など、社員のウェルビーイングにつなげる企業が増えています。最近の取り組み例を紹介します。

【1】ニッコンホールディングス×ロッジ水野の森

 2025年12月、埼玉県狭山市の「ロッジ水野の森」で、ニッコンHDグループなどが主催する社員イベントが開かれました。
 社員と家族約35名が参加。森の保全を手がける「水野の森里山の会」メンバーの指導の下、記念植樹やツル切りなどの整備活動に汗を流しました。
 ロッジ水野の森は住宅地に近接した平地林で、かつてはフィールドアスレチックがあり、市民に親しまれてきました。
 市内の貴重な自然を守ろうと、里山の会などが中心となってボランティア活動を続け、子ども向けの環境イベントや音楽会などを開いてきましたが、市内に事業拠点があるニッコンHDが25年春、当協会の仲介で森林整備活動を支援することを決め、地権者らと協定を結びました。
 快晴となったイベント当日、参加者らはまず、カエデの苗木10本を植樹。グループに分かれてスコップで穴を掘り、添え木を固定する作業に励みました。続いて、樹木の成長を妨げるクズのツルを除去するボランティア活動に従事。木に巻き付いたツルを手作業で取り除き、10メートル以上に及ぶツルの長さを競うコンテストで楽しみました。
 里山の会は数年前からカエデの植樹活動を続けており、参加者らは見頃を迎えた周辺の紅葉スポットを見学した後、地元の野菜やキノコをふんだんに使ったバーベキュー大会で交流。グループ内の親睦を図りながら、普段は味わえない森での体験を満喫しました。

【2】朝日新聞社×つくば万博の森

 茨城県つくば市の「つくば万博の森」は、1985年につくば科学万博が開催された際、松枯れが進む宝篋山の森林再生をめざして、朝日新聞社と当協会が全国に寄付を呼びかけ、約4万2千人から集まった募金で開設されました。
  当時、植林されたヒノキやスギなどが順調に生育。希少な動植物が生息・生育する森林に生まれ変わり、2024年度には国が推進する「自然共生サイト」に認定されています。
 朝日新聞社は現在、サステナビリティ基本方針の策定を進めており、その一環として万博の森の支援を決定。間伐や環境整備などの森林保全活動を後押ししています。
 開設40周年を迎えた2025年11月、現地で記念イベントが開催され、朝日新聞の募集記事に接した読者や当協会の会員ら約100名が参加。約40分のハイキングを楽しみながら会場の記念広場に到着し、生態系豊かな森の息吹を感じていました。
 自然観察会では、3グループに分かれて周辺を散策。ガイド役の専門家の説明に聴き入った後、ヒノキの伐採作業を見学したり、ノコギリで枝を切る体験をしたりしました。
 40年前の寄付者全員の氏名を刻んだ記念碑の前で、自分の名前を探す高齢者の姿も見られました。
 イベントには朝日新聞社員数名も参加。日々のデスクワークから離れて、受付やマイクロバスの誘導を手伝いながら非日常の空間に浸り、森林や林業の重要性を再認識していました。